ウィリアムの圧迫面接を切り上げ、人気のない廊下までルーカスに連れられて歩いてきたレイラはやっと息ができた。
(何も、できませんでしたわ……)
レイラは頬にぽつりぽつりと涙を零して、きゅっとルーカスの人差し指を掴んだ。
ウィリアムへのイラ立ちが頭を占めていたルーカスは、レイラの限界に気づくのにまた一歩遅れた。人差し指を握られた感覚にルーカスが足を止めると、レイラの膝がガクンと折れる。
(レイラ?!)
床に崩れ落ちそうになるレイラが地面にぶつかる前にルーカスはなんとか支える。レイラの。意識が突然落ちてしまったレイラを抱きかかえたルーカスは慌てて部屋へと帰還した。