レイラは力いっぱいに首を振った。 (ルーカス様との夜お散歩の機会を逃すなんてできませんわ!!) レイラの珍しく勢いの良い首振りに、ルーカスはクスッと笑った。 少しずつ彼女のサインを受け取れるようになってきたのがルーカスは本当に嬉しかった。レイラの手を引いて中庭までの廊下をゆっくり歩いて行く。 「もし気分が悪いようなことがあったら、すぐに言ってくれ」 コクンと頷いたレイラに安堵しかけたルーカスだが、中庭に踏み出す数歩手前ではたと止まった。 (言ってくれ、は不適切だな)