レイラはベルと中庭の薔薇園でお茶をしていた。麗らかな日の下、薔薇を背景にした眉目秀麗完璧なレイラが無表情でカップを傾ける姿に、正面に座ったベルはうっとりしていた。


「お姉様は本当にお美しいですわ。今度のパーティーはどんなドレスになさるの?」


レイラの後ろで立っているアイザックも和やかに会話に参加してくる。


「この前、ルーカス様が張り切ってドレス職人呼んでましたよね」

「お兄様、たまにはきちんと準備できるのね」

「最近ちょっとマシになった感じありますよ?交換日記効果ですね」

「交換日記の返事、口頭でしてるって聞いた?」

「うわぁ、それって辱めでは?」

「そうなのよ!そういう女心が全然わかってないのよポンコツお兄様は!」


レイラとベルのお茶会では、だいたいベルとアイザックがぽんぽん話を続けていく。レイラが一言も話さなくても、レイラが不機嫌なわけではないと二人ともしっかり受け入れているからだ。


二人が最近のポンコツルーカスについて盛り上がっているが、レイラは二人が早口でどんどん行ってしまうのでどこがポンコツなのかまるで理解できていなかった。



(ルーカス様がポンコツなところなんて、まるで見当たりませんが)