執務室に一人になったルーカスはレイラとの交換日記をまた読み返す。この交換日記を始めて、レイラのことをたくさん知ることができた。


アイザックに味方だと言ってもらえて嬉しかったこと。レイラが推理小説の棚をもう1年も読んでいて、やっと次の棚が見えてきたこと。次は魔術本の棚で、楽しみにしていること。ベルとお手紙交換が流行っていること。


(レイラの頭の中は、とてもお喋りなのだな)


レイラは毎日たくさん日記を書いて、彼女のことを伝えてくれた。


ルーカスは日記を書くのが苦手で気の利いたことは書けなかった。つい素っ気ない文面になってしまう。以前ならこのまま放置しただろうが、ルーカスは一歩踏み込んだ。