レイラは顔が熱くなって恥ずかしい!と思ったが、何の感情も浮かばない顔でコクンと頷いた。そろそろ表情筋は仕事しようか。 ルーカスは息を飲んで状況を把握するよう努めた。レイラは安定の真顔で表情からは何もくみ取れない。 だが、赤い本を差し出すその手が、ほんの小さくルーカスにしかわからない程度に震えているのを見つけることができた。 ルーカスは胸が打ち震えた。彼女が一生懸命に伝えようとしてくれていることを逃さず受け取ることができた。 彼女と通じ合えることがこんなにも嬉しい。 「俺で良ければ」