レイラをぎゅうぎゅう抱きしめていたルーカスが、ぶんぶん首を横に振った。 「まだ始まったばかりだ。今度こそ」 ルーカスがレイラの両肩を掴んで顔をガバッと上げた。先ほどまでのブツブツ小声とは違い、今度はレイラの耳にきちんと届く声だった。 「3回目の今回こそ、必ず君を救ってみせる」 芸術の極みである美の真顔で、レイラがルーカスをまっすぐ見つめる。 (3回目?)