『夕方』
世間的に夕方とは15時から18時までの時間帯のことを言うらしい。
僕らもその時間を夕方としてやってみることにした。
『理科室で』
という表記だから理科室内で飛び降りればいいのかもしれない。
まずは15時になったら理科室の机の上から山野が飛び降りてみる。
それで通知が来ればいいけど、もし来なかったら今度は理科室から飛び降りてみる。
理科室は二階。無謀な話ではない。
窓の下は幸い開けたところになっている。
そこに体育館から柔らかくて大きい体操用のマットをセットする。
クラスメイトが一丸となってマットを運び、安全な飛び方や着地の仕方を研究している。
柳谷と枕崎が計算して、一番着地のしやすいところにマットを置けるよう指示している。
東坡と祐樹が山野に受け身の取り方を教える。
東坡が協力的なのはちょっと意外だった。
校門ではスーツの大人達が、体育館からいくつものマットを運び出す僕らを不思議そうに見ていた。
僕は昨日まで時川がやっていたように片桐と一緒にこのゲームの出口を探す。
そこに久遠さんも加わっていたが、思い込みプログラムのことはまだ確信ではないので、あの時のメンバー以外には知らせないことにした。
クラスメイトそれぞれが15時に向けての準備を進める中、少しずつ陽が傾いてきた。

