「山野」
山野の席の近くに立っていた枕崎が低い声を出した。
「どうするつもり」
「…さあ…『理科室で』ってわかりづらいけど…とりあえず理科室から飛び降りてみればいいのかもね」
「理科室から飛び降りるって…どうやって」
「理科室は2階だから頑張ればできそうな気がする…やれることは全部やるつもりだよ。死にたくないからね」
枕崎が何か言いたげに眉を顰めるが言葉が出てこないようだった。
「…手伝う」
少しして、枕崎の固い声。
「え?」
「実行できるよう、手伝う」
枕崎をきょとんと見つめる山野。
「あ、ありがとう」
と、ガタンと音を立てて祐樹が立ち上がった。
「俺も手伝う!みんなで協力しよう!」
祐樹…
今朝感じていた不安や恐怖を吹き飛ばすがごとく力強く言った。
よし、僕もだ。
「僕も行く」
僕には手伝う義務がある。
「私たちも」
祐樹の言葉に感化されたのか、浜崎と越田が同じようにガタンと席を立った。
「これ以上クラスメイトに死んでほしくない」
「私たちもよ」
柿田率いる一軍メンバーも立ち上がった。
「私も行きます」
久遠さんもそう言った。
「何かお手伝いさせてください」
「俺も!」
「俺も行く!」
「ぼ、僕も」
よしきに続き立花、意外なことに大人しい成川までもが立ち上がる。
「俺も行く」
そう言って勢いよく立ち上がったのは宇佐美翔。
あら…意外だな。自ら名乗り出るとは思わなかった。
それを見た他のクラスメイトも同じように声を上げていく。
山野が整った顔をを少し緩めて笑った。
「みんな、ありがとう」
大本の時にはできなかった団結。
ここをスタートにして少しでも多くの命を救うんだ。

