いつどこで誰が何をした




ピロン!



そうこうしているうちに8時になっていた。
今日の内容を発表する通知音が鳴り響く。

片桐と枕崎と少し目を合わせて、自分のスマホを見た。



ーー


本日の内容。
実行してください。

『夕方
理科室で
山野美波が
飛び降りた』


ーー



っ!
これは!!

口角を隠すために僕は口元を覆う。



「っ!」
隣にいた枕崎がバッと顔を上げた。
下唇を噛んでその整った顔を少し歪めている。
そして何も言わずに走り出し、階段を一段飛ばしで駆け上がっていった。

「びっ、くりした…枕崎って体育以外であんな素早く動くことあるんだ」
片桐が呆然とその背中を目で追って言った。

「…山野だから」
「え?」
「指名されたのが山野だったから」
「え、なんで山野だと?」
「…枕崎もちゃんと男子高校生だってこと」
「……は」

…山野のことは枕崎に任せるとして
問題は時川だ。


「片桐、昨日何か時川に変わったことってあった?」
僕の言葉に問題を思い出したのか、ずうっと顔色が暗くなる片桐。

そりゃそうだよな。
二人で学級委員をやってたんだから、片割れがいなくなったことを受入れられないに決まってる。


「…俺の目には普通に写ってたよ」
ふつうね…
「解決策を見つけようとは言ってたけど…こんな不安定な状況じゃ、何をきっかけに簡単に心が壊れてしまっても…納得はいくよ」
片桐が拳を強く握る。

そうかな。
「でも少なくとも僕は、昨日の彼女は返信せずに死んでしまうような状態ではなかったと思うよ」
僕に言ったんだよ。自分を大事にしろって。

「…時川は正義感の強い人だ。誰かの前で弱音を吐いたりなんかしない。一人になって急に怖くなったのかもしれない」
強く握っていた手を開く、手のひらには爪の跡がついていた。


「ばつ印がついてたら確実に死んだってことになるのか?」
片桐がわずかな希望を無理やり持たせたような目で僕を見る。

「…おそらくね。少なくとも現時点でばつ印のついている人は死んでる」
「…そうか」
片桐が力無く言った。