学校に着くと、もうほとんどのクラスメイトが来ていた。
僕と祐樹はいつもより足取りが重かったせいか割とギリギリの時間になっていた。

相変わらず学校へ入る前にスーツを着た知らない大人に変な目で見られたけど、もう気にしないことにした。


何人かまだ来ていない。
大本もそのうちの1人だった。

いないのは…大本、檜山、すでに亡くなった3人。それから成川と小塚と宇佐美、渡辺と時川がまだ来ていない。
ちゃんと返信してるといいけど。

大本の席を見るクラスメイトの目はなんとも言えない色をしていた。



無言の教室。
7時30分


ガラ

教室の扉が開く音がした。
みんなが一斉にその方向を見る。

そこにいたのは
「健司!」
杉山が駆け寄る。

檜山だった。
数日見てなかったけどすっかり痩せ細ってまるで死人のようだ。
「健司、大丈夫?」
「…うん」
杉山がほっと胸を撫で下ろす。
「心配かけてごめん」

今は不登校だったやつより、指名されてた大本の方が心配なんだけどね。
まあ言わないけど。

そんな感動の再会を横目で見ながら大本の席を見た。
…空席



「…校長室…行ってみるよ」
隣の片桐がのそりと席を立った。
「僕も行く」
「…俺も」
僕と枕崎が同様に立ち上がった。