いつどこで誰が何をした



そのあと事情聴取とやらが始まる予定だったが、何故か警察がバタバタしていてこちらに来れないということで、明日に持ち越しになった。

そっちの事情だろ。振り回すなよ。


片桐と時川が先生に現段階での事情を説明したけど当然信じてもらえず、僕らは解散となった。

明日も一応登校になってるけど…きっとそのうち自宅待機とかになる。
そうなってもこのゲームが続く限り、全員集まった方がいい。
みんなはそれを理解しているからきっと意地でも登校するだろう。

…なんとか先生に理解してもらわなきゃならない。
まあ…この不自然な状況じゃあ信じるを得ない時が来るはずだ。


みんなが青白い顔をして帰っていく。
いつものように祐樹がこちらへ向かってくる。

何度も見た光景だ。ついこの前までは祐樹もヘラヘラ笑いながら来ていたのに…今はどんより重い足取りだ。
それでも帰る前は必ず僕のところに挨拶に来てくれるこの親友を、僕はちゃんと好いている。

「じゃあなひかる。また、明日」
祐樹がじっと僕の目を見る。
「うん、また、明日」
必ず返信しろよ、とお互いに意を込めて目を見た。
祐樹はグッと血管が浮き出るほど強く、スマホを握りしめていた。


「新田くん」
すれ違いで小柄な女子が現れる。
「梅原」

「…今日は本当にありがとう」
僕は殴られただけだけどね。
「いいよ。それに梅原のおかげでこのゲームのプレイ方法が分かったし、少しでも犠牲を減らすために僕らが何をすればいいのかもね」
梅原は小さく頷いた。

「…今日も、来るかな」
「来るだろうね」
「…そうだよね…返さなきゃね」
「ああ」
ルールに反したら命はない。


「じゃあ…また、明日」
「また明日。気をしっかりね」
「うん…ありがとう…ひ、ひかるくん」

彼女は目を泳がせて小さな声でそう言った。
あー…何かと思ったら呼び方を変えたのか。

梅原は背が小さくて肩までの黒いさらさらの髪が印象的な女の子。
あんまり話したことなかったけど…
このゲームが続いていくなら、クラスメイトとは協力するべきだ。

…もう少し社交的になった方がいいな。
今後のためにも。



「ひかる」
と、あまり耳馴染みのない低音の声が呼ぶ。
いわゆるイケヴォってやつ。
ってことは
「枕崎」
「ちょっといいか」
案の定声をかけてきたのは人間国宝枕崎。

あら?
珍しい組み合わせだな。

枕崎の隣には山野がいた。
その目には少し隈ができているけどそれがまた不思議な美を演出している。
この二人が並ぶと目の保養だな。

「うん、何?」