翌日


祐樹と並んで歩く。
いつもの通学路
いつもの朝
いつもと同じ光景のはずなのにお互いに一言も喋らない。


最初に沈黙を破ったのは僕だった。

「メッセージ…来た?」

その言葉にピクッと体を動かした。
少しの間を置いて答える祐樹。

「うん…ちゃんと返した」
「うん」

再び沈黙。
もう遮ろうとはしなかった。



学校の前には黒い車が複数止まっている。
数人の先生達が何やら話している。
校門の前にいる知らないスーツを着た大人達が僕らを変な目で見る。

「君達は1年3組の生徒かい?」
うお、話しかけられた。
祐樹はビクッとして僕の服の裾を引っ張る。
「そうですけど」
僕が答えると大人達は顔を見合わせた。
「そうか…入りたまえ」

…いや何?
入りたまえって何?ムカつくな。
言われなくても入るし。


そんなうざい大人を横目に、昨日待機していた方の教室に向かった。
いつもの教室は生徒が入れないようになっている。
まあ…そうだろうね。

他のクラスや学年は学校自体休みらしい。
昨日あんなことがあったんだ。
しばらく自宅待機だろう。

何も知らない他学年は急に学校が休みになって喜んでるかもね。