空、あおっ

見上げた空は雲ひとつなく、まるで絵の具で塗りつぶしたような真っ青な空。


もう10月も後半だというのに照らしつける太陽は暖かいというより暑い。
日はだいぶ短くなってきたものの今日のような晴れの日の日中は薄着でも十分なほどだ。
これが地球温暖化か。


ほんと、どうでもいいような事を考えながらいつもの通学路を歩く。

いくら暖かいとは言え、踏みつけるとパシと音を立てる枯葉の絨毯を見ると季節を感じる。
飽きるほど通ったこの道も今までとは少し違う雰囲気がある。


枯れ木の間から見える白い校舎

僕は極々普通の高校生。
どこにでもいる、普通の高校生。
本当に普通の高校生、新田ひかる。


何に置いても平均的。
特徴といえば…可愛くない三白眼と綺麗ではない八重歯くらい。あ、あと厄介な癖毛。

特に人よりできることはない、運動も勉強もそこそこだ。
「そこそこ」僕にぴったりの表現。

できないわけではないけど超できるわけでもない。
できる時もあるし、できない時もある。
気分や運に左右される、本当にそこそこな人間。


普通の毎日は平和で淡々としている。

目立った凹凸もなければ、深い溝も落とし穴もない。
衣食住に苦労しないこの生活を『普通』だと思える恵まれた環境で育った。ありがたいことに。

今の生活で僕は十分だ。