バスケの授業。
ペアでパス練習をする。
「ひかるのボール勢い強くね?」
「そうかな」
「力だけが無駄につよ、いっ」
そう言って僕にボールを投げ返してきたペアの相手は本日注目の野々村。
普段は宇佐美翔と一緒にいるけど今はグループが別みたい。
「っていうかさーひかる転入生の子と仲いいよな」
「あー久遠さん?まあ席近いし」
「狙ってんのー?」
狙う?
「久遠愛菜、かわいいじゃん顔」
「んーあんま興味ないかな」
確かに綺麗な顔だとは思うけど、それだけ。
「えーもったいなー!つーか前から思ってたけどひかるって普通に顔面良いよな」
そうか?
八重歯だし三白眼だし、子供に嫌われるタイプの顔だけど…
「オシャレとかすれば超カッコよくなりそう」
うーん。
話しながら野々村から受け取ったボールを一度地面につき、胸の前で構える。
「オシャレに興味なし」
と言葉尻でボールを投げると、ウッと声を上げてキャッチした野々村が胸をさすりながらじとりと僕を見る。
「宝の持ち腐、れっ!」
同じようき言葉尻でボールを強めに投げてきた。
まあ女好きの野々村からしたら女の子と友達止まりなんてありえないのかもね。
でも僕はそうじゃないから…さっ!
「うっ、だーかーら強えって!」
「ごめんごめん」
パス練が終わりいよいよ試合。
僕は別に特別運動ができるわけでも壊滅的にできなさすぎるわけでもないから、授業のバスケ程度だったらチームのメンバーとして出してもらえる。

