「…あそこにいるヒロインは守らなくていいの?」
成川が横目で久遠さんを見る。
「…守らなかったらどうするの」
小声で聞く。
「最後は君と2人きりで戦いたいから先に殺しちゃおうかなって思って」
「ああそう」
「……え…ひかるくん?殺しちゃおうかなって言ったんだけど…?」
「だから、ああそうって」
「………」
成川の顔から笑みが消える。
「…ひかるくん……君…」
「……」
「…っ」
成川は素早く起動装置を取り出して操作する。
よし。僕にお芝居はできるかな。
「成川!よくも!」
「え」
僕は唐突に成川の胸ぐらを掴み上げて強く押す。
机にぶつかって後ろに反り返る成川。
起動装置に手を伸ばすとそれに気づいた成川が慌てて抵抗する。全力で起動装置を守っている。
僕は成川の制服を引っ張った。
「ひかるさん!」
「ちょっ…急になに、ひかるくんっ…君そういうキャラじゃなくね?」
「久遠さんに手を出すな!」
ピロン!
「はは…よくわかんないけど僕の方が早かった!君の負けだひかるくん!」
「また僕を指名したのか!」
「いいや?君の大事なガールフレンドだよ!」
ああ、まあそうだろうね。
ーー
本日の内容。
実行してください。
『今
教室で
久遠愛菜が
死んだ』
ーー
「…ひかるさん……」
「久遠さん」
「さあどうする?ひかるくん。身代わり制度使う?止めないよ?」
「……」
久遠さんが震える手でスマホを握り、ゆっくり僕を見る。
「……ひかるさん。身代わり制度なんて…使っちゃダメですよ」
「…久遠さん」

