「ぐぁっ…」
東坡のうめき声が聞こえた。
目をやると、身体中に刺し傷のある血だらけの東坡が、カランとナイフを落とし…その場に倒れた瞬間だった。
「東坡」
東坡に駆け寄る。
東坡の目の前にいた成川の胸元を…押して突き放す。
「……ひ…かる……?今…なにを…」
「ありがとう東坡。おかげで上手くいきそうだよ」
「………ふは…やっぱ……お前…キメェ…」
「じゃあね。あっちで祐樹によろしく」
「……おう………」
僕は東坡から離れて、成川と距離をとった。
「はぁはぁ…クソ…まじしつこい…」
僕に押されてよろめいた成川も所々から血を流してはいるが…深い傷はなかった。
「腹にブッ刺したはずだったのに…こんな動けるとか超キモい…。でももういい。もうお前はゴミ同然」
成川は東坡の頭を踏みつける。
「やっと邪魔者がいなくなった」
動かない東坡の頭を蹴り付けてナイフを捨てた。
「お待たせ。ひかるくん」
「…ああ。待ちくたびれたよ、成川」
もう僕の荷物は何もない。
お互い丸腰で、一対一の本勝負。
お前は僕に、絶対に勝てない。
「ひかるさん……」

