「……」
「えーまじー?柿田玲子ってそんなキャラじゃなくね?ひかるくーん、君って罪な男だねぇ」
成川がクスクスと笑った。
「てめぇ……いい加減にしろ!!」
そう猛獣のような声を出したのは東坡。
浮き出た血管がピクピクと動いている。
「東坡!」
東坡が成川に向かって突っ込む。
成川は咄嗟に起動装置を操作しようとしたが東坡の方が早かった。
思い切り突進された成川は机に派手にぶつかる。
「ひかる!東坡!起動装置を!」
柳谷が叫んだ。
「わかってるけどっ…」
成川のものすごい抵抗だった。
大男に突進されたにも関わらず、体制をすぐに整え東坡を引き剥がそうと暴れている。
僕が参戦しても起動装置に触ることすらできない。
と、ギラリと光るものが目に入った。
あれは…っ
「東坡!離れろ!」
「うぐっ…」
僕の叫び虚しく、東坡の鈍い声が聞こえた。
ドタっと後ろによろめく東坡。
そのお腹に刺さったナイフ。
「護身用に持ってたのが役に立ったよ…」
「東坡!」
「……いや…全然平気…まじ…ピンピンしてる…」
んなわけないだろ、血出てるんですけど。
ナイフは刺さったまんま。
その場に膝をつく東坡。
どこに刺さった?急所じゃない…助かるか?
くそ、わからない…
「山野!東坡を止血!柳谷!久遠さんを守れ!」
「東坡っ」
「了解」
二人が動く。
生き残りは窓際の席5人と成川。
成川は人を殺すことに躊躇いがない。
方法はMo153でなくても…
「ひかるくん…僕は君を殺さなきゃいけないんだ。そうでなきゃ終わらない。ひかるくん以外の人間に興味はないんだよ。余計な殺人をする前に大人しく殺されてくれないかなぁ」
成川がため息をついて乱れた髪の毛をかきあげる。
「はいって言うと思う?」
「いーや?」
僕がここで、はいわかりましたと殺されれば、代わりに死んだ祐樹や花里、柿田に流石に申し訳なさすぎる。
だから足掻くよ。可能性がある限り。

