いつどこで誰が何をした



「あとは柿田のグループに送られた『誰かが笑った』というメッセージ」
僕が付け足した言葉に柳谷が反応した。
やっぱり…柳谷はこのメッセージの話をした時に成川を犯人候補に入れたんだな。


柳谷を見ると二度ほど頷いた。
「俺もそれは引っかかった。俺の中で成川が犯人の可能性がある人間になったのはその時だ。『誰かが』なんて言葉を使えば柿田のグループは全滅していたかもしれない…。いや、多分成川はそれが目的だった。収集がつかなくなってきたゲームを終わらせようとしたんだろ」

「…まあね。でもなんでそれで僕なの?」
「分からないのか?お前思ったよりアホだな」
言われてやんの。


「柿田のグループを全滅させようとしたってことは…犯人は柿田のグループにはいないということ。つまりこっちのグループ内の人間」
そういうこと。

「あとは消去法だ。ひかると克馬は違う。久遠愛菜もMo153の情報を俺達に話したということはおそらく違う。山野は過去に危険な内容で指名されていたし、東坡と花里はこんな回りくどい方法で殺人するような人間に思えなかった。あとは枕崎だが…あいつは人生上手く行っていただろうし、こっちが恥ずかしくなるくらい山野にゾッコンだったから、わざわざ好きな女を危険に巻き込むとは思えない。動機が不十分だった」
山野がゴホンと喉を鳴らす。


「そして残った成川。お前はゲームが始まる前まで全くと言って良いほど目立たない人間だった。だがゲームが始まってからは…生き生きしていた。少しだけ…ひかるに似た雰囲気を感じることがあった。だからお前の可能性を考えた」
えー心外。飛び火してるよ。


「まあそういうこと。僕は清瀬奈加の話を聞いた時から成川を疑っていたから、このメッセージが送られた事実は僕の疑心を確信に近づけた」


「…知ってて言わなかったんだね」
「まあね」
「それはどうして?」
「どうしてだと思う?」
「…もー…質問に質問で返さないでよひかるくん」
ヘラヘラしてはいるが確実に腹を立てているようだ。


「犯人のくせに一丁前にプレイヤーのフリをして、見苦しい演技で僕に媚を売るお前が滑稽だったからだよ」
「………」

成川はスッと僕から離れる。
そしてニコリと取ってつけたような笑みを見せる。
気持ち悪。


「…でも…ひかるくんが僕が犯人だと早く証言していたら…君の大事な克馬祐樹は死なずに済んだかもしれないんだよ」

「…Mo153の詳細も知らない浅はかな状態で犯人を言ったとしても、皆殺しにされる可能性が高かった。それに成川を殺したところでゲームが終わる確証もなかった。お前が起動装置を持っているか確認できなかったからね」

まあ…今は持ってることがわかってるけど。