「…昨日、兄が死にました。兄の遺書にヒントがありました。Mo153開発プロジェクトの研究員の中に…犯人に繋がっている人間がいたと…。
私はひかるさんに言われ、その研究員について調べました。兄がMo153を持って逃亡した日に連絡を取っていた研究員を炙り出せばいいので難しくはなかった。
その研究員の名前を調べれば犯人が分かるとひかるさんの言った通り……私はあなたに辿り着いた」
柳谷が僕を見る。
まあ聞けよと促す。
「その研究員の名前は……清瀬徹。その人物の身元を調べると、清瀬徹は過去に成川智が私達に話した…清瀬奈加の父親であることが分かりました」
そういう事だ。
僕らのクラスで清瀬奈加と接点があったのはお前だけ。
僕にとって『清瀬徹』という名前は、僕の推理を裏付ける決定的な証拠になったんだ。
「清瀬奈加は精神的な病を持っていた。Mo153の本来の開発目的は、そういった精神状態が関係してくる病気の治療。清瀬徹は娘の治療のために開発に携わっていた。おそらく成川は清瀬奈加からMo153の存在を聞いた。そうだろ?」
久遠さんに変わって僕が聞く。
「……その通りだよ。ひかるくん」
成川は久遠さんを一瞥してから僕を見て笑う。
「メッセージ送信者の『8』は清瀬奈加の出席番号。結局開発が間に合わず、発症した解離性障害で亡くなった彼女へのせめてもの弔いかな?」
僕が言うと成川はこくんと頷く。
「彼女がいなければこのゲームは完成しなかったからね。せっかくなら参加してもらおうと思って『8』にしたんだよ」
清瀬奈加。
本来このクラスにいたはずの生徒…
精神的原因の病を持った生徒…
彼女の存在が、僕が犯人に辿り着くための大きな鍵になった。
「ねぇひかるくん。他にもあるでしょ?僕は転校生じゃなくて君に聞いたんだよ。
まさか昨日やっとわかったわけじゃないだろ?君はもっと前の段階で知っていたはずだ。僕が知りたいのはそっち」
……。
柳谷も僕を見ている。
仕方ないなぁ。じゃあ教えてあげるよ。僕がお前の存在に辿り着いたのがいつだったのか。
まあ『清瀬奈加』の存在が僕の推理を助けたことには変わらないけどね。

