いつどこで誰が何をした



「…許さない……絶対…絶対に許さないっ!」
久遠さんが割れた声を出す。
フーフーと荒れた息をしながら成川をこれでもかと睨みつける。

君は今朝から成川が犯人だと知っていたのに、あれだけ『普通』の顔をできていた。『普通』に成川と話していた。すごいよ久遠さん。

「……殺します……絶対に…殺す!!」
久遠さんが成川に近づいた。


しかしそれより早く、後ろにいた渡辺が動いた。

「成川ァ!!」
そう怒鳴り、成川に向かって走り出す。
顔は狂気に満ち、涙目で歯を食いしばっている。
拳を作り、成川に向かって振り上げる。
成川はそれを見て呆れたように視線をぐるっと回した。


まずい…

「待て!渡辺!」

僕の声が響く。
しかし渡辺には聞こえていない。止まることなく突っ走る。

成川が黒い機械に触れた。
その瞬間…


パン!


破裂音が響いた。
そして飛びかかる寸前だった渡辺…の身体が人形のようにくたっとして床に落ちた。
頭が破裂した……原型を留めていない肉塊がビチャビチャと落ちた。



「僕が犯人の証明になった?」
返り血を少し浴びた成川が笑う。

お前の指一つで僕らは死ねるということ…
それを見せつけられた。


「みんな……動くな。抑えて」
僕の低い声。

フーッフーッと動物の威嚇のように息を吐き、首元や額に血管を浮き出させている東坡。
汚物を見るような鋭い目を成川に向ける柳谷。
瞳孔をかっ開き、静かに…だが燃えるように怒りを露わにする山野。
プルプルと震える拳を押さえながら唇を噛み、唇から血を流す久遠さん。
恐怖と怒り、そして悲しみに呑まれ、涙を流しながら成川を睨む柿田。


成川の手にあるあの機械…
あれがMo153の起動装置だ。