「犯人は、確実にこのクラスの中にいると思うか」
「はい」
「犯人がゲームを始めた動機について、何か思い当たることはあるか」
「いいえ」
「このゲームは既に最終章で、もう終わりが見えている」
「はい」
「…俺達プレイヤー側が勝つと思うか」
「はい」
「…それは、ひかるがいるから?」
「いいえ」
「…それは、ゲームにルールが存在するから?」
「いいえ」
ルールなんて存在してないよ。こんなクソゲー。
「…それは………」
柳谷のこめかみを汗が伝った。
その汗が顎を通り、音もなく落ちる。
「…それは…既に……答えが分かっているから…」
……
「はい」
「…ひかる…。犯人が誰か…分かってるんだな」
「はい」
「………やっぱり…そうか…。いつからだ」
「柳谷、はいかいいえでしか答えられないよ」
「…ああ、そうだったな」
ごほんと喉を鳴らして、再び硬い空気を作る柳谷。
「…少し、ひかる自身のことを聞いてもいいか?」
「ん?はい」
このタイミングで?
「ひかるには…家族がいないんだよな」
「はい」
「…父親が…犯罪者」
「はい」
「…面会に行った時、お前の父親は至って普通だった」
「はい」
「…あの惨殺事件を起こした動機は、本当に『退屈だったから』?」
「…はい」
「……ひかるは、退屈が嫌いか」
「はい」
「このゲームが始まるまでの生活は…退屈だった」
「はい」
「このゲームが始まってからは…退屈していない」
「…はい」
「……ひかるは…このゲームを、楽しんでいる…?」
……
「はい」
「……」
「……」
「もう一度聞く。ひかるは、犯人が誰か知っているんだな」
「はい」
「そして俺がその名前を聞いても…教えてはくれない」
「はい」
「なぜなら…名前を言えば、ゲームが終わってしまうから」
「……はい」
「……」
「……」
「はは……ひかる……お前、本当に狂ってるね」
……

