……
何が…クリアだ……
………
「…ひかる」
屋上で座り込む僕にかかる低い声。
「………東坡…」
「…克馬が…ここに来る前に俺達に言ったんだ。
俺が必ずひかるを助ける。だから、俺の代わりにひかるを頼むって」
……。
「なんで止めなかったんだよ…」
「あそこまで覚悟を決めた克馬を止められるほど、俺達は強くなかった」
…………。
「……ひかるも、泣けるんだな」
頬を、生暖かい水が伝った。
ああ、僕にも流せる涙があったんだ。
…初めてかもしれない…誰かを想い、涙を流すのは。
キーンと、耳鳴りがする。
キーンと、耳鳴りがする。
キーンと……
ああ。
…身代わり制度か。
そういえばあったなそんなの。
確かあれが導入された前日、祐樹が僕を殴ったんだよな。
……なあ犯人。
お前はこうなることがわかってたんだろ。祐樹が邪魔だったからこの制度を入れたんだろ。
お前にとって正義感の塊のような祐樹は消しておきたい存在だったんだろ。
仮に祐樹が指名されたとしても、きっと僕が尽力を注いでフォローしてしまう。
でも、あいつは僕のためなら…自ら死んでくれるだろうと、その決断を助けるための身代わり制度だろ…。
…よかったじゃないか。計画通りだよ。
でも、お前の思うように進むのはここまで。
お前のせいで僕にブレーキをかけてくれる親友は消えたんだから。
ここから先は、僕がお前に代わってレールを敷いてやる。
僕にはそれができる。
なぜなら
ありがたいことに…
僕
生きてるから。
もう涙は流れない。目が乾いていく。
どくどく鳴っていた心臓が普段の鼓動を取り戻す。
サァッと昇っていた血が引いていく。
耳鳴りが…消えていく。
ありがとう親友。
……代わりに、死んでくれて。

