「あれ、一時間目なんだっけ」
「数学ですよ」
お、さすが久遠さん。
「ありがと…あれ?」
「どうしました?」
あーやばい。
「筆箱がない…」
家では出してないよな?
とすると…あ。
「貸しましょうか?シャーペンと…」
「いや大丈夫。多分美術室だ」
昨日の六限終わり…カバンに入れた記憶がない。
「まだ時間あるし取ってくる」
先生に取られてないといいけどな。
美術室につながる渡り廊下を早歩きで進む。
ガラ
「えっと…あ」
自分の席に向かう途中で先生の机の上に自分の筆箱があるのが見えた。
「よかった…回収はされてなかった」
他にもいろんな忘れ物が置いてある。
まとめられてたのか。
さっさと戻ろう、そろそろ始まっちゃう。
ガン!
わ
筆箱を持ち上げた瞬間に何かが落ちた。
ストラップに何か引っかかってたのか。
えっと…
え、携帯?
こんなものまで忘れるの?
部活の人かな。
それにしても相当抜けてるなその人。
携帯を拾い上げると勝手に画面がついた。
…ん?
これ…
その画面は見覚えのあるものだった。
連なった定型分のようなメッセージ。
左上に『8』と表記されている。
ーー
ルール
あなたのクラスに転送します。
21時にメッセージを送信します。
24時までに内容に答えて送信ボタンを押してください。
※無効内容があります。
今回の文:
「いつ・どこで・誰が・何をした」
あなたの内容
「何をした」
ーー
このメッセージ…ということは
おそらく僕のクラス。
美術部は…多田だけだよね。
じゃ、これは多田のかな?
うーん、ありえるな。
おっちょこちょいだし。
ま、僕が持ってったところで何にもならないし、とりあえずここに置いておこう。
美術部だし、今日は休みだけどまた取りにくるでしょ。
それにしてもずっとこの画面だったの?
バグとかのレベルじゃないだろ。
なんなんだろう…
まあいいか、とにかく戻らなきゃ…
ん?
これ…続きある?
触れてしまった親指に反応して画面がスクロールした。
もう一つメッセージが来てる。それも結構長いやつ。僕にはそんなの無かったよな。
…人のスマホ…ダメなのはわかってるんだけど
つい好奇心でスクロールしてしまった。

