「あれ…?」
しばらくして綾人さんが変な声を出した。
みんなが反応する。
「どうしたの?兄さん」
「…いや…みんなのおかげでMo153の現在状況が把握できたんだけど…」
眉間に皺を作る綾人さん。
「さっきから何度やっても……。みんなのクラスは何人だっけ」
「34です」
「今は?」
「…17です」
枕崎がぐっと唇を噛む。
「…数字がズレてる」
ズレてる?
「現段階で既に使用済みになっているMo153は全部で17個だ」
え?ズレてなくない?
「使用されているMo153は全部で33個。34人クラスだよね?」
「犯人が自分には使ってないんじゃないですか?33個中、17個が使用済み。残りは16個ってことだろ?生き残り17人の中に犯人がいる」
柳谷が当然のように言う。
「……う、ん…いや、そう…か…」
何か引っ掛かってるみたいだけど…。
別に想定の範囲内だけどな。犯人が自分にはMo153を使っていないことなんて。
綾人さんは納得がいかないようで首を傾げている。
「まあ……いいか。とりあえず準備はできた。さあひかるくん、はじめよう」
綾人さんは血圧を測る時につかう腕輪みたいな機械と、なんかごちゃごちゃしたヘッドホンみたいな機械を僕に差し出した。
「ひかる」
祐樹が不安そうに僕を見る。
「…行ってくるよ」
花里と成川が手を結んで祈っている。
柳谷のこめかみには冷や汗。
東坡と山野は静かに僕を見ている。
「生きろよ。ひかる」
枕崎が強く言った。
「もちろんだよ」

