下駄箱で成川と合流した僕らは3人で教室に向かう。
教室には枕崎、山野、柳谷、東坡、花里がいた。

「…久遠さんは?」
「まだ来てないよ」
…。

「大丈夫。来るよ、ちゃんと」
黙った僕に、祐樹が笑って言った。


「ひかる、昨日の話みんなにした」
枕崎が淡々と言った。
昨日の夜、枕崎に柿田から聞いた話を電話で伝えた。
既にみんなに共有したらしい。

「ゲームの形態がさらに変わりつつある」
枕崎の言葉に山野が頷く。
「…いよいよラストスパートかもね」


生き残りは…全部で何人だ?

僕らのチームは、僕、久遠さん、柳谷、山野、東坡、枕崎、祐樹、花里、成川。

柿田のチームは、柿田、よしき、牧村、杉山、檜山、渡辺、宇佐美、小塚。


「…17人か」
僕の呟きにみんなが顔を上げる。
「…ちょうど、半分だな」
東坡が静かに言った。

ふと窓際の柳谷を見ると、眉間に皺を寄せて下を見ていた。
今までに見たことないくらい真剣な顔をしている。
何か…考えているんだろうか。


「人数が減ったということは、犯人も絞れてきたということだ」
枕崎が低い声を出す。

「ひかるはどう思う?」
え?
枕崎が僕を見ている。
柳谷も静かにこちらに視線を向けた。


「どうって?」
「犯人…誰だと思う?」

えー
んー…

「わからないよ。でも…個人的に気になっているのは」
昨日までの出来事が頭をよぎる。


「小塚…かな」