片桐はわざとらしくため息をつく。
「…で?俺にどうしてほしいんだよ。ひかる」
片桐の声色が変わる。
だるそうに目を上に回して、髪をかきあげながら僕に一歩近づいた。
「4人を殺したこと認めるんだ。結構あっさりだね」
「まあ相手がお前だからな。ひかるはこのゲームにおいては枕崎や俺よりも頭の回転が速い。変に言い逃れしようとしたところで無駄だってのはわかる」
「あそう。…スマホを奪って返信できないようにしたの?」
「ああ。人数が減れば嫌でもゲームは終わるからな」
「……」
「……」
……余計なことを…
「僕はお前にイラついてるんだよ。片桐」
「ハッ、大事なチームメイトを殺されたからか?まるでヒーローだな」
片桐は馬鹿にしたように笑った。
そしてさらに僕との距離を詰める。
見たこともない学級委員長の汚れた顔。
まるでヴィランだ。
「なあひかる、俺のしたことって悪いと思うか?
こんな状況でさ、いつ死ぬかわからない意味不明なゲームの中に放り込まれて、自分が死なないために他人を利用するのって…そんなに悪いことかな」
…。
「人間は誰だって自己中な生き物だよ。自分が一番可愛いんだ。自分を守るために取捨選択して何が間違ってる?
いや…こんな状況では間違いも正解も存在しない。生きようとして何が悪い」
…。
「俺は死にたくない。それだけだ。ひかる、お前ならわかるだろ。お前だって辻原が指名された時、真っ先に時間を測っただろ。それと同じだよ。なんで俺だけ悪者みたいに扱われなきゃいけない?こんな断罪イベントまでセットしてさ。
俺とお前は同じなんだよ」
片桐の鋭い目が僕を舐めるように見る。
いつのまにかかなり至近距離に来ていた片桐が僕の肩に手を乗せた。
「ひかる、俺と手を組もう。他の人間はいらない。俺とお前ならこのゲームを終わらせられる。クラスメイトでの友達ごっこは終わりだ。生きよう、二人で。お前がいれば無謀な話じゃない」
片桐は僕に手を差し伸べた。
「似たもの同士…だろう?」

