翌日



「おーい!」
いつもの声
いつもの道
いつも通りの朝


「ひかる!はよ!」
祐樹が駆け足で合流。
今日は雨が降っているからなかなか肌寒い。
傘がぶつかるくらい近くに、派手に登場してくれた親友のおかげで足元がかなり濡れた。
「…おはよ、祐樹」
冷たい。


「なーひかるんとこもきたー?」
「何が?」
「『8』って宛先からのメッセージ。なんか意味不明のRINE。いつーどこでー誰が何をしたーってやつ」

え?
「昨日21時ぐらいにメッセージ来てさ、その後Qwitterのタイムラインにクラスのみんなが似たようなことがあったって呟いてたから」
そーなんだ。
僕だけじゃなかったんだ。

「僕のとこもきたよ」
「マジ?やっぱ俺らのクラスのやつにはきてんのか。変なのー」
「僕らのクラス以外は?」
「特に来てないっぽい」
へぇ

「バグってたのかスマホ動かなくってさぁ。とりあえず返信しといたけど」
ん?
「え、祐樹も?」
「ん?」
「僕のも動かなくってさ。返信するしかできなかったんだよ」
「え〜…これは偶然なのか?」

んー
偶然にしてはできすぎてる気がするけどな…電源も切れないってよっぽどだし。


「あ、ひかるはどんな内容だったんだ?」
内容?
「ほら、いつ、どこでーとかのやつ。俺は『いつ』だったんだよ。確か優は『誰が』だったって言ってたな」

優っていうのは佐滝優のことで祐樹と同じバスケ部の好青年だ。

「僕は『どこで』」
内容もやっぱり人と違うんだ。
「なんなんだろうな。誰かのいたずらかな」
「大掛かりすぎるだろ」

そんな深く考えるようなことじゃないといいけど。