いつどこで誰が何をした



「…同じ毎日を繰り返していると…やっぱり退屈に思う時はあります」
「…そうか。それは…仕方のないことだね」


退屈な、同じ繰り返しの、普通の日々。
今の僕はその日々の中にはいない。
毎日誰かが死ぬ。明日があるかわからない中を生きている。

でもそれは彼も同じだ。
彼にも時間はない。死刑執行がいつかを決めるのは彼自身ではないのだから。

普通に生きていたはずの僕も、彼も…今ではそこから遠い場所にいる。
普通に、生きていたのに。

……。



「あの、一つだけ、聞いても良いですか?」
「なんだい?」


僕にとって、永遠の課題である

「普通って、なんですか?」


あなたなら
この質問になんと答えてくれますか?


「……」


沈黙。
さとるさんの人より鋭い目が、ゆっくりと閉じ、そしてゆっくりと開く。
虚な目で僕を見て、少しだけ口角を上げた。


「ひどく退屈なことだよ」


……。



ああ、よかった。
綺麗事を連ねられたらどうしようかと思った。
でも彼は、父親としてではなく、大人としてではなく
新田さとるという人間として…
僕の質問に答えてくれた。


「………そうですか」

そう答えて、同じように笑った。