案内されたのはテレビで見るような面会室だった。
机があって、ガラスがあって、その向こうに同じような部屋があって、警察の人の席もある。
ガラスの前の椅子に座って、ちょっと緊張しながら待つ。
なんて言うだろうか。急に血縁者だとかいう僕が来てびっくりしているだろうか。
僕のことを知っているのだろうか。
どんな人なんだろうか。
今まで興味なんて湧いたことなかったのに、いざ目の前にするとなるとやっぱり少しわくわくする。
僕の実の父親、そして死刑囚。
とんでもない犯罪者。
色々な感情と期待が膨れ上がる。
少しして、その時が来る。
向こうの扉がゆっくりと開いた。
そして警察の人と一緒に…
灰色の服を着た、黒い癖毛を後ろで短く束ねた男の人が出てくる。
背は高く細身で、肌が白く、少し長めの前髪から見える目は、どことなく…見たことある気がした。
その目が僕を捉える。
そしてその場で足を止め、呆然とこちらを見る。
三白眼の目が大きく開かれて、うっすらと口も開く。そこから覗く、僕のよりは鋭くない八重歯。
かっこいい大人の男の人、という第一印象。
ちょっとミステリアスな雰囲気が魅力的で、歳を感じない。綺麗な人だ。
警察の人に何かを言われて、その人はゆっくりと僕の前の椅子に座った。
ガラス越しに目が合っている。
新田さとる。
僕の、血のつながった、父親。

