しばらく待たされた僕らは、定期的に来るさっきの警察の人に言われるがまま、身分証明書を見せたり、なんかよくわからない書類を見たりした。
そして30分近く待ち、ようやく施設長さんが現れた。
「本来は急の面会も、新田死刑囚への面会も断らねばならないのだが…時期が時期だ。彼は近々死刑執行を控えている。実の息子ということなら今回だけは特別に目を瞑ってあげよう。本人も了承したからね」
と、言うことらしい。
死刑執行が近いのか。知らなかった。
死刑判決が出ても執行まではかなり時間がかかるというが、それは本当らしい。
と言っても確信犯なのに10年近く先延ばされていたのは少し不思議だ。
とにかく面会はできるみたいなのでラッキーだ。
会ったこともない家族。
新田さとるさんは僕の面会を許可してくれたらしいし、色々思うところはあるけど2度と会えないかもしれないから会っておこう。
「久遠さん、ここで待っててくれる?面会は僕一人で行くから」
「…はい。待ってます。いってらっしゃい」
久遠さんは少し不安そうな顔をしたが、そう言ってくれた。
施設長さんと何人かの警察の人についていく。
初めて来たし、もう2度と来ないであろう刑務所の中。
思わず興味深々にキョロキョロしてしまう。
「…君は、新田の息子さんなんだよね」
?
前を歩く施設長さんがこちらを見ずに言った。
「はい」
「…何故、今になって面会に来たんだい?」
んー…
警察には一応今僕らがやっているゲームのことは通報してあるけど、この人達は知らないみたいだからわざわざ言わなくていいか。
「たまたま、父親のことを知る機会があったので」
「…知らなかったのかい?お父さんのこと」
「あーはいまあ。色々複雑な家庭なので」
「…そうか。君は……彼によく似ているね」
はあ…
「そうですか」
「…」
そんなこと言われても
会ったことないのだからわからない。
血が繋がってれば、そりゃ見た目が似ることはあるだろう。
でも、それだけの話だ。

