ズカズカと校庭を進む。
バスで行けそうだな…
会ったこともない父親に会いに行く。
何故犯人があの情報を送ってきたのか気になるってのもあるけど…
父親が過去に起こした犯罪。動機は退屈だったから。
何故、退屈を理由にあんなことをしたのか。
それが知りたい。
「ひかるさん!ひかるさーん!!」
!
小さく聞こえた僕の名前を呼ぶ声に振り返る。
校庭を一生懸命駆け足で横断している一人の制服。
「久遠さん?」
「はっ…はぁはぁ、私のスマホ返してください!」
息切れしながら僕の前で汗を拭う久遠さん。
「ああ忘れてた」
「気をつけてください!それがないと返信できなくて死んじゃうじゃないですか」
あーそうかそうだわ。
危ない危ない。
「まじごめん、危なかった」
「もー!きづいてよかっ…た…あ」
?
プンスカしていた久遠さんは僕を見て言葉を止めると、次第に顔を赤くして行く。
あー…
「あの久遠さん、もしかして怒ってる?」
実行のためとはいえ、祐樹達にあんなに怒られたしなぁ。まあ考えれば怒ることくらい予想つくか。
でも命大事じゃん。
「怒ってはないです…」
悶々と自問自答していた僕に久遠さんの優しい声がかかる。
「ひかるさんは…私が実行できるよう、お手伝いしてくださったんですよ…ね?」
ん?
「そうだよ?」
「……」
即答すると久遠さんは目を丸くして、その目を次第に睨みに変えていく。
え…
あ、やべ、返答間違えた?
「そうですよねーわかってました!どうもありがとうございました!」
ふんっと顔を背けて、アニメかと突っ込みたくなるような拗ね方をする。
んー女の子って難しい…
「あの、誰でもするわけじゃないよ。花里とかだったらやんないし」
「花里くんって…」
えーこれでもダメ?
…んー
「僕は、久遠さんに生きて欲しかったから。死んでほしくないって、他の人より…ちょっとだけ強めに思ってる」
変な日本語になった気がしたけど…
紛れもなく…本心だよ。
ゆっくりと僕を見る彼女。
「……私…はじめてでした」
…え"
あ…え、それはなんか…
「ごめんなさい」
「…謝らないでくださいよ。私がかわいそうみたいじゃないですか」
いや…でも…
「あのーえっと…でも僕は…後悔してないよ」
「っ!」
これで君が生きられるというのなら。
たとえ怒られても、僕は間違ってないと思う。
「………私だって、嫌だったわけではありません。むしろ…」
?
「……っ、と、とにかく!ありがとうございました!」
なんだ?
「この借りは必ず返しますから!」
「いいよ別に」
「返しますから!」
「はあ…じゃあ…うん」

