15時
行こう。
できることは全てやるんだ。
「ひかるくん!」
?
階段を駆け降りていた僕に焦ったような声が聞こえた。
「え、梅原?」
はあはあと肩で息をしながら梅原が現れる。
「どうしたの」
梅原は呼吸を整えてから少し緊張したような目を向ける。
「…あの……ひかるくんは…その……」
?
「久遠さんが……好きなの?」
え?
何を言い出すかと思えば…
「好き?好きってのは…ん?どゆこと?」
「……あの…」
あー
「もしかしてキスしたから?」
僕の言葉に一瞬肩をびくつかせて小さく頷く。
「あれは実行しなきゃだったし…たまたま廊下にいたからチャンスだと思って」
「…そう、だよね」
うん?
「どうしたの?」
「…ううん。なんでもないの。ごめんね、急に変なこと言って」
「いや…別に」
「…行ってらっしゃい」
「うん」
梅原は少しもじもじしながら僕を見て笑う。
…。
「梅原」
教室に戻ろうと背を向けた彼女に声をかけた。
ん?と振り向く梅原。
「もし向こうのグループと接触することがあれば、なるべく情報を探ってみて」
「う、うん!わかった!」
「ありがとう。また明日」
「うん、また明日」
…なんだったんだろう。
まあいいか。
とりあえず今は新田さとるに会いに行こう。
また明日聞けばいいや。

