いつどこで誰が何をした



賛否両論だったが、結局僕は父親に会いに行くことにした。

あのサイトによると、父親はここから少し離れた街の大きめの刑務所にいるらしい。
死刑判決が出て、もう何年も経ったけどまだ執行はされていない。
面会ができるのかは知らないけど…とりあえず行ってみることにする。
まあ無駄足だったらしょうがない。


昼過ぎ
枕崎と柳谷、山野と成川も加わり、教室の中では会議が行われている。
花里は柿田グループに偵察に向かい、梅原と東坡と祐樹も一緒に行った。

僕は会議から抜け出して、廊下の窓の前で犯人から送られてきたサイトをもう一度見ていた。


「ひかるさん」
そこへ久遠さんが来る。
「どした?」
「いえ、黄昏てたので」
黄昏てたわけじゃないよ。
一息ついてたの。

「大丈夫ですか?」
「何が?」
「お父さんに会いに行くって…」
ああ
「大丈夫だよ。逆に知らない人だから怖くないし。家族だって言われても、向こうも え?って感じだと思う」
「…」


「…ずっと…一人で生きてきたんですね」
少しの沈黙を破る久遠さんの静かな声。
「まあ、珍しいとは思うけど驚くほどのことじゃないよ。全人類で僕だけってわけでもないし」

「…寂しくなかったんですか?」
それさっきも言ってたよね。
「だから寂しくないって。僕にとってはこれが普通なんだから」
「…」


……
……。


「ねぇ、なんで…泣いてるの?」
僕の正面に立っていた久遠さんの目からポロポロと水がこぼれ落ちる。
「ひかるさんが…泣かないからです。ひかるさんが…寂しくないって…言うから」
「僕のせい?」
優しく聞けば、首を横に振る。

「寂しいに決まってるのに…そんな当然のことに気づけない生き方をしてきたあなたを……ひかるさんのことを考えると、勝手に涙が出てくるんです」
……不思議な人だ。
すごく綺麗に泣く。


と、中から僕らの様子に気がついた山野がやってきて、静かに教室の扉を閉めた。
廊下には僕と久遠さんの二人。