「目的が違うって?」
「えっと、殺すことが目的ではないんじゃないかって僕は最近思ってて…」
殺すことが目的じゃない…
「だってもし皆殺しの予定なら、このゲームのシステム自体かなりめんどくさいと思うんだ。
毎日みんなにメッセージを送って、返信してもらって、そこから文を作って、実行させる。回りくどいと思わない?
完全な命令ゲームなら、クラスメイトが争って、それでも結果皆殺しってなるだろうけど…
実行の内容を決めてるのは僕らだから…必ずしも死ぬとは限らない」
…確かにそうだ。
殺すことが目的なら僕らに文を作らせる必要はない。だけどこのゲームは全員が生き残ることは不可能だったとしても、ゲームに上手く順応できれば全滅は避けることができる…。
それでも簡単に順応できないように新たなルールが追加されていく…
「微妙なんだよね全部。ゲームに順応させすぎず、でも理不尽に死んでいくだけのゲームにもしない。だとしたら犯人の目的は皆殺しより…他に何かあるんじゃないかなって」
成川が自信なさげに言う。
だけど言いたいことはわかる。
「殺しが目的じゃないとしたら…犯人は純粋にこのゲームを楽しんでる。目的はクラスでゲームをすること。それ自体なのかもしれないな」
枕崎が言った。
「わからねー。何のために何故こんなことをしたのか…動機と目的。推理するには情報が少なすぎる」
柳谷が椅子にもたれかかって上を見る。
「ひかるに父親のことを送ったのはどっちかに関係あったりするのか?例えば…ひかるの父親に殺された人の身内による…復讐…とか」
東坡が僕を見る。
えーなにそれ怖。僕が恨みの対象なの?
「いや、僕が思うに…ひかるくんにお父さんの情報を送ったのは、きっとひかるくんがこのゲームにおいて、重要人物だからなんじゃないかなって」
重要人物?
成川が真っ直ぐ僕を見る。
「今までゲームをやってきて、ひかるくんはかなり貢献してきた。いわば、これが物語だとしたら…ひかるくんは主人公なんだよ」
主人公?
「犯人は確実にひかるくんに目をつけてる。身代わり制度もグループ制度も、ひかるくんの影響で導入されたと言っても過言じゃない…僕はそう思う」
成川の言葉に枕崎も柳谷も真剣に耳を貸す。
「それは俺も思う。ひかるは確実にこのゲームに、犯人に影響を与えているはずだ」
枕崎が深く頷いた。
「なんで、僕?」
僕の問いに成川が少し目を泳がせ、スッと息を吸う。
「ひかるくんが、普通じゃないから」
…普通じゃ、ない

