いつどこで誰が何をした



しばらくしてツンとした久遠さんが帰ってくる。
僕はみんなに背中を押されて久遠さんの前に出される。
「あー…久遠さん」
「…はい」
「さっきはすみませんでした」
「…大丈夫です」
謝ったぞ、というようにみんなに振り返れば、またまたため息をつかれた。


「まぁその…時間には余裕あるからさ、準備できたら山野か梅原か…なんかいい感じの人に頼んで終わらせるといいかも」
ものすごく言葉を選びながら喋る。
女子同士の方がいいかと思って二人の名前をあげる。
「そうですね」

……。
「ちゃんと…やってね。僕は久遠さんにいなくなってほしくないから」
なかなか目の合わなかった彼女にそう言えば
ゆっくりと顔を上げて、人より大きなその目で僕を捉える。

「ちゃんとやりますよ。私だって死にたくありません。それに…まだ学校生活も送れていない。やりたいことがいっぱいあるので」
「…うん」
久遠さんの目は、少し茶色くて大きくて垂れ目。キラキラしてて…僕とは全然違う。


しばらくの沈黙。
先に目を逸らしたのは久遠さんだった。

「わ、私のことは気にしないでください。ちゃんとこちらで対処します。必ずクリアするので…あまり気にされるとその…」
久遠さんが俯く。
「わ、わかった!そうしよう!とりあえず久遠さんに任せるよ!クリアさえしてくれればいいから!」
気を使った祐樹がそう言った。



「とりあえず今後のことを話し合おう」
咳払いをした枕崎が前に立つ。
みんなはそれぞれの席に座った。

「柿田のグループにどんな内容が送られてるかはわからないんだな」
柳谷がスマホをスクロールしながら言う。

んー…
そもそもなんでグループごとに送る必要があったんだ?
「別に今まで通りでも良かったのに、犯人はなんで僕たちの動きに合わせてルールを変えたんだろう?」
犯人にメリットあんの?

「…さあ…犯人の動きについてはわからないことが多い。中途半端なご都合ルールも、急に1日に2件もメッセージを送ってきたことも。身代わり制度もグループ制度も、ひかるの父親の情報もそうだ」
「殺すことが目的ならこんな無駄なことする必要なんてないはずだ」
んーそうなんだよな。


「目的が違うんじゃないかな」

え?
そう言ったのは成川だった。