いつどこで誰が何をした




「…ゲームの体制が変わり始めてる」

放課後
いつもより遅い時間。大半の生徒は帰宅した。
残っているのはいつものメンバーと片桐。

枕崎が僕らの席に近い瀬尾の席に座って呟いた。
「…2件のメッセージが来た。今までになかったことだ。もしかしたら明日からも変わってくるかもしれない」
レベルが上がったんだろうな。
僕らが順応し始めたから。

「実行してれば生き残れる…なんて簡単なものじゃなくなるかもしれない。1日に1人とも限らない」
枕崎の低い声。
「犯人を見つけよう。それしかない。警察を待ってなんかいられない」
枕崎の前に座っていた片桐が教室前方のカメラを睨みつける。


「…警察、思ったより動いてくれないね」
山野が静かに呟く。
「変な話だよな。人が死んでんのにニュースにもならない」
柳谷がイラついて言う。
「説明つかないからだろ?ニュースでなんて報告するんだよ。高校生の頭が急にちぎれましたとか?」
東坡がだるそうに言う。
「犯人も細かい犯行要項も明確じゃないから下手に動けないんだろうな。俺らは人質みたいなもんだ。警察が余計なことをするとどうなるかわからない。もしかしたら犯人が警察の方に邪魔しないよう何か仕掛けてるのかもしれないし」
枕崎が窓から校門に立っているだけのスーツ男を見る。
「亡くなったみんなの親御さんはどうしてるんだろう…」
……確かにね。

「警察にも教師にも期待しないほうがいいよ。僕らだけでなんとかしよう。きっと警察は久遠さんの言ってた強制思い込みプログラムにすら辿り着いてない。頼るだけ無駄だ」
僕の言葉に後ろの久遠さんが頷く。
「警察は久遠財閥が研究している内容については微塵も知りません。それどころかあえて関わらないようにしています。あまり父と警察が仲良くないので」
へぇそうなんだ。
まあこんな恐ろしい研究できちゃうくらいだもんね。


「…とりあえず今日は帰ろう。俺は校門に突っ立ってるだけの奴らに報告してくる」
片桐が席を立って嫌味な声を出した。
そのまま足を引き摺るようにして出ていった。