座り込んでいた僕はスッと息を吸って立ち上がる。
そしてみんなを見て頭を下げた。
「取り乱してごめん…辻原には申し訳ないことをした。みんなに対しても、すごく不謹慎だった…ごめんなさい。ゲームのことしか考えられなくなってた。生き残ることが全てだって…そのためにやった僕の行動は間違ってないって……思い込んでた」
「私たちも…ちょっと取り乱してた。ごめんねひかるくん。冷静になることも大事だよね。枕崎くんや山野さん達の言ってたことも決して間違ってはなかったと思う」
牧村の優しい声が聞こえた。
顔を上げれば、柔らかい表情の牧村と目があった。
「俺も言い過ぎた。おかしくなってくひかるが怖かったんだ。でも戻ってくれてよかった。よく戻ってきたな」
よしきがふっと表情を柔らかくした。
「祐樹のおかげ」
「えへへ」
「うん、かなり熱い友情ドラマだったよ。感動した」
……ん、んー?
「ちょっと恥ずかしくなってきた」
祐樹がボソリと言った。
「同意」
まじそれな。
そういやさっき夫婦とか言われたな…
脇目も振らずハグとかしちゃった。恥ず。
「私もごめんね。ひかるくんはいつも指名された人が無事クリアできるように頑張ってくれてるのに…あんなこと言ってごめん」
浜崎が席を立って頭を下げた。
「私もごめん。現実に向き合うのが怖くて逃げてた。ひかるくんも枕崎くん達も、ちゃんと向き合ってたんだよね」
越田も謝ってくれた。
よかった…
あのままだったらどうなってたか…
クラスは完全崩壊に進み、犯人の思うツボだったかもしれない。
祐樹のおかげだ。ありがとう。
「さあ!切り替えて頑張ろう!これ以上は誰も死なせない!みんなで協力すれば必ず出口はある!」
片桐が手を叩いて空気を締め直してくれる。
僕と目が合うと笑った。
「さて、どうする?ひかる」
んー…
「これ以上犠牲者を出さないことを考えると、やっぱり枕崎の言っていたことは絶対に大切だ。いざという時に冷静さを失うと…秋沢と同じようになってしまうかもしれない。大事なのは他人を慮るより、状況の分析と落ち着いた対応。一人一人が自分を一番に守ろう。それがこのゲームをクリアする鍵だと僕は思う」
僕の言葉にクラスメイトが頷く。
「同意見だ。俺もちょっとカッとなってさっきは不謹慎なことを言ってしまった。悪かった。
ひかるの言う通り、亡きクラスメイトを思うのと同じように自分のことも大事にしてくれ。まずは自分だ。みんながそう思えばきっとなんとかなる」
枕崎が相変わらずクールに言った。
賛同する声が所々で上がる。
だが協力的なクラスメイトに混じり、1人だけ変わらず僕に鋭い視線を向け続ける人がいた。

