……
「ひかる?」
「……祐樹」
スッとフツフツが静かになっていく。
「ごめん、祐樹」
フツフツが、消えた。
「なんか、どうかしてたかも」
「ひかる…っ、ああよかったぁぁ!」
僕の目を見た祐樹の顔がぱあっと明るくなる。
そして地べたに座り込む僕をぎゅっと抱きしめる。
…暖かい。
確かに、周りが見えていなかったかもしれない。
ちょっと落ち着いた。
みんなに言われた通り…
辻原へのメッセージが来た瞬間に迷いなく時間を測ることができた僕は…
今思うと、自分でもちょっと気味が悪い。
当然のように辻原は死ぬと判断していた。
でももし、もし辻原の立場が祐樹とかだったら…
きっと僕も取り乱していただろうし、僕みたいに冷静に時間を計ってるやつがいたら殺意が湧くかもしれない。
……なるほど。
僕はそんなことをしていたのか。
いけないいけない。なんか変になってた。
「ひかる、殴ってごめんよ」
抱きしめたまま、祐樹が優しい声で言う。
「ううん。むしろありがとう。なんかよくわからなくなってた…どうかしてた。ごめん」
僕から離れて真正面に座った祐樹。
「ゲームが始まってからのひかる、怖かったんだ…
なんだか時間が経つにつれて感情がなくなってくみたいで。だんだん狂っていくようで」
ああ…だから最近近くに来なかったのか。
「心配かけてごめん」
「ううん、本当はもっと早く言ってやるべきだった。そのための親友なのに」
「祐樹はいてくれるだけで充分だよ」
「ちょっとそこの夫婦、もういい?」
一連の騒動を見ていたよしきが少しホッとしたように、そして呆れたように言った。
顔を上げるとさっきよりも落ち着いた雰囲気のクラスメイト達と目が合った。
みんなどこか安心したように僕を見ている。
もしかして…割とみんな祐樹と同じようなこと思ってたのかな…
ホッとしたように戻ってよかったーと口々に言っているクラスメイト。
一際強い視線を感じたのでそちらを見ると、久遠さんがふわりと笑っていた。
「何笑ってんの?」
「初めてお会いした日のひかるさんに戻った気がして」
えぇ…そんなに違ったのかな僕。
自分ではわからないもんだ。

