教室
いつも通りの風景。
だが、確実に増えている空席。
今日はみんな来るだろうか。
時川や深川のように予想もつかない人が離脱することもある。みんな来ると良いけど。
「ひかる」
「あ、祐樹。おはよう」
少し遅れて登校してきた祐樹が力無く笑った。前まではスポーツマンらしい筋肉質な見た目をしていたが、今ではその面影すらない。げっそり痩せ細っている。
「ちゃんと食べてる?」
僕の問いにふぅと小さくため息をつく。
「…まあ…こんな状況でも人間だから腹は減る」
不思議なもんだよね。
「体調崩すと支障が出るかもしれないから、ちゃんとしてなきゃダメだよ」
「ああ、ひかるもね」
「うん」
僕は至って健康だよ。いつも通りだ。
しばらくして、8時間近。
「今日はみんな来たね」
片桐がボソリと言った。
よかった。誰も死ななかった。
みんなが安堵の息をついた。
…のも束の間、時間は来る。
ピロン!
空気が凍る。
これも毎度のことながら。
そして緊張しながら確認する。
ーー
本日の内容。
実行してください。
『今
屋上で
秋沢りくが
走った』
ーー
……
また微妙な文章だな。
今って…なんだ?
この微妙な時間はどうなんだ?
今っていつだ?
いつまでのことを今と言うんだ?
曖昧すぎてわからない。
だけど、間違いなく、急いだほうがいい。

