「問題は、思い込みプログラムに不可能がないということ。つまり、この力を犯人が思い通りに操るようになったら…もう大人でも、ましてや国でも止められなくなると言うことです。今は私たちクラス内だけですが…簡単に人を殺せるということがわかってしまった以上…もっと恐ろしいことも予想できます」
確かにこんなのほぼ超能力だ。
魔法と何も変わらない。
まあつまり…
「1人ずつ、ルールの中で死んでるだけの今は、まだ全然ぬるいってことだよね。その気になれば全人類だって滅ぼせるんだからさ。犯人がそのことに気づいてないのか、そのつもりがないのかは知らないけど…この狭い1クラスの中でしか日常が壊されていないのは幸いだね」
「幸い…?」
「ひかる…」
だって思い込みプログラムってなんでもできるんでしょ?
『普通』に考えたらまずは自分で使って限界を知るところから始めるよ。
脳から直接コンピュータにアクセスしたり、遠隔操作で他人を殺したりできるかもしれないし。
「僕だったらこんな効率の悪いやり方はしないな。不可能がないって言うんなら初めからもっと大きなことできるじゃん?犯人はそこまで考えが回ってない感じかなのかなぁ。まあゲームの進行もめちゃくちゃだし頭良くないのかもね」
僕の何気なく言った言葉に顔を上げる枕崎。そのこめかみを何故か汗が伝う。
みんなの視線が刺さる。
…?なに?
なんか変なこと言った?
「…ひかる、お前…ちょっと喋るな」
え?
柳谷が青い顔をして僕の顔の前に手のひらをかざした。
なに?
なんで?

