いつどこで誰が何をした



「警戒しないでってば」
明らかに距離をとっている僕を見てトホホと笑う。
「するに決まってるでしょ。対して繋がりもないのにこんな命の危機に晒されてる中、無条件に協力してくれるなんておかしい」

「無条件…か」
にっこりと笑う花里。
「やっぱり何か条件付きなわけ?」
取引か?
「いいや?でも無条件ではないかな。結果的には」
結果?

「僕は死ぬかもしれない危険を犯してひかるくんに協力する。これでひかるくんが生き残ればひかるくんは僕に恩ができることになる」
恩…


「それってさ…それって」
花里が急にトロンとした顔をして近づいてくる。

な、なんだ…
キモいんだけど…
僕も距離を取ろうとゆっくり下がるが机にぶつかってしまう。

やばいかも…

そう思った瞬間だった。
花里が大きく足を進めてぐんっと僕に近づいた。
逃げようとした僕の腰に花里の腕が回ってきて引きよせられる。

「うわっ」
「ねぇひかるくん…」
何故か花里と体が密着した状態。
例の熱っぽい目を向けてニタッと笑っている。

き、き、きっっっしょ!
全身に鳥肌が立つ。


「それってひかるくんの中で僕の好感度が上がるってことでしょ?」

……は?

「ひかるくんがちょっとだけでも僕を好きになってくれるってことでしょ?僕に死んでほしくないって思うことになるでしょ?」
え?
「僕が指名されても、梅原や山野の時みたいに協力してくれるかもしれない。僕を、僕を助けるために…ひかるくんが頑張ってくれる…それってすごく…」

待て…
恨み買ってるとかじゃなくて
これって…

「それってすごく……興奮しちゃうっ」
き、きもぉぉ!


密着していた花里はそのまま僕の胸に顔を預ける。
「あはは…二人きりだ〜。ひかるくんの匂いだ…ひかるくんひかるくん…僕ひかるくんのこと大好きなの。だからぜっったい死なせないよ。
他のクラスメイトを殺すことになっても、僕は君を守ることを選ぶよ。だってひかるくんを愛してるからっ」

状況を飲み込むのに時間を有してしまった僕は、途端にえげつない量の冷や汗に襲われて急いで花里を引き剥がす。

「あーん」