「ぼく、いいこ、だよっ」
アフダルが、にこにこ笑いながら、マリーに指折り数えてみせた。
「いままで、ずっと。
おはなのおせわを、したし。
おともだちとも、なかよく、あそべたよ。
ふぁざーおじさんにいわれたとおり。
いつも、あんまり、おこらないようにしているし」
「あら、まぁ。
それなら、アフダルは、良い子ねぇ。
大丈夫。
サンタさんは、きっと。
アフダルのところにも、来てくれますとも」
マリーの言葉に、アフダルの顔は、ぱぁっと輝き。
しかし。
次の瞬間、影を落としたように、雲った。
「でも……ぼく。
ここにくるまえは。
とてもわるいこ、だったよ?」
サンタが、自分のところに、来るのを取りやめたらどうしょう、と。
不安がるアフダルを、マリーは背伸びして、そっと抱きしめた。
「大丈夫。
あなたが、本当はとても優しい、良い子だってことは、知ってるわ。
もし、サンタさんが知らないようだったら、私からお話しておくから」
「わぁい、ほんとう?」
「本当よ。
だから、良い子のアフダル。
みんなを起こして来てくれないかな?
もう、朝ごはんにしましょうね」



