「先の戦いで、名を馳せたすげー兵士が二人。
 こんなクソ汚ねぇ、教会でくすぶっているってぇ、うわさを聞いて、わざわざ迎えに来てやったんだ」

 リーダーは、品定めをするように、神父を見た。

「年齢は、どちらも30代。
 一人は、通り名がグリーン・アイズってぇいう、とんでもなく強ええやつで。
 相手がどんなに強かろうが、大人数をそろえようが、自分は無傷で、けろりと片付けちまう。
 ただし。
 目の前に立ちはだかるヤツぁ、敵も味方もおかまいなしに惨殺するって言う、いかれた緑の瞳の悪魔だそうだ。
 そして、もう一人は、隻眼(せきがん)の狼ってぇ、ヤツ。
 俺の知っている限り、唯一。
 一度火がつくと見境無く暴れるグリーン・アイズを止められる男だと。
 単独でも、ナイフ・ファイトのカリスマらしいな」

 男は、言ってちらり、と舌で唇を舐めた。

「こいつら二人。
 コンビを組んで十年くらいのうちに、築いた死体の山の数と。
 破壊した施設の数は、すでに伝説だとよ。
 かっこいいねぇ。
 なあ。
 狼の方は。
 ……あんたのことじゃねぇ?
 え?
 神父サン?」

 確信に満ちた男の言葉に、ウルジュワーンは、鼻で笑った。

「隻眼の狼とは。
 ずいぶん仰々しい、カビの生えた名前を、引っ張り出してくれるじゃねぇか?」

「お、当たり?
 いいねぇ、話が早くて!」

 男は、ぎやはははっ!と笑って、ウルジュワーンに言い寄った。

「あんた達。
 二人そろって、俺の下に来いよ。
 今のこの平和は、見せかけだ。
 またすぐ始まる混乱の中で、頭角を現すだろう俺の部隊の象徴になれ。
 幹部にしてやるし、金もたっぷり出してやる。
 上手く行けば、新しい支配者の側近になれるぜ?
 こんな陰気な教会とやらをおさらばして、この世の贅沢って言うヤツを、試してみないか?」