夕闇 迫る雲の上

いつも一羽で 飛んでいる

鷹はきっと 悲しかろう

音も途絶えた風の中

空を掴んだその翼

休めることは できなくて



心を何にたとえよう 鷹のようなこの心

心を何にたとえよう 空を舞うような悲しさを


雨のそぼ降る 岩陰に

いつも小さく 咲いている

花はきっと 切なかろう

色も霞んだ雨の中

薄桃色の花びらを

愛でてくれる 手もなくて



心を何にたとえよう 花のようなこの心

心を何にたとえよう 雨に打たれる切なさを



人影絶えた 野の道を

私とともに 歩んでる

あなたもきっと 寂しかろう

虫の囁く 草原を

ともに道行く 人だけど

絶えて 物言うこともなく


心を何にたとえよう 一人道行くこの心

心を何にたとえよう 一人ぼっちの寂しさを






手嶌葵 「テルーの唄」