赤ペンポイントを熱心に読み込んでいる柚樹を見つめ、柚樹の家族に、私はもう入っていないのよねと、柚葉はしみじみする。

(って、そんなんじゃダメよ、ダメ!)

「キュートなペンギンちゃんのイラスト入りでわかりやすいでしょ! ちゃんと活用するのよ~」
 元気いっぱいに、にっこり笑ってみせる。

「ペンギン? UMAじゃなくて? つか、ヨーグルト好きなだけ、とか、いちご欲しいだけ、とか、レシピがアバウトすぎ」
 ぶつくさ文句を垂れる柚樹に「いらないならいいわよ」と、ノートに手を伸ばすと「まあ、せっかくだから貰っといてやるよ」と柚樹は慌てて、自分の手元にノートを引き寄せた。

「まったく、素直に感謝できないのかしら。あ、感謝と言えば」

(またおばさんっぽいとか言われるわね)と思いつつ、柚樹を見つめた。