カンカンカンカン

「おっはよー。あっさでっすよー」
「うう」

 今朝も柚葉がフライパンを叩いている。柚樹は耳を塞いでドア越しに叫んだ。

「起きた! 着替えたら下に行く!」
 ピタっと音が止み「りょーかーい」とドアの向こうから声がした。パタパタパタと階段を下りていく音。

 ふわぁ。と、柚樹はあくびをしながら目覚まし時計を手に取る。7時ジャスト。

(今日も、どっかに行く気っぽいな)
 遊園地、水族館ときたら、次は……

「動物園だ」
 柚樹はにんまりしながら、今日のコーデはどうしようと、クローゼットを開けたのだった。