(今のって……)
 柚樹の心臓がにわかに波打った。

「もう柚樹は守られるだけの子供じゃなくなったのね」
 隣で噛みしめるように呟いた柚葉の声は、ちょっぴり寂し気に響いて聞こえた。

「柚樹はもう、守る側に成長したのね」

 トンネル水槽の世界は、蜃気楼のように揺らめいて煌めいている。

 ゆらゆら、ゆらゆらと。

 幻想的すぎて、まるで夢みたいだと、柚樹は思っていた。