犬になって君と過ごした『特別な時間』

 誤解を解きたい!

「俺は告白してきた女とは行かない。俺が一緒に行きたいのは……」

「パピちゃん、今日はよくお話するね? もっと走りたいのかな? 行こっか!」

 相変わらず話は通じない。
 俺は心の中で大きなため息をついた。

 公園を出た。
 散歩の途中、俺の家の前に来た。

 今、俺の体の中には、パピちゃんがいるのか?

 そんなことを考えていると芽依が「花火行こうって、涼真に連絡してみようかな?」と俺の家を見つめながら呟いた。

 それから彼女はスマホを操作しだした。

 ――花火大会、芽依と一緒に行きたいな。