人って必ず人と関わらなければ生きていけません。
障害の有無に関係無く誰にだって言えること。
そこには必ず「する側」と「される側」というポジションが有ります。
下手すれば主従とか上下で見かねない危うい境界線です。
 一歩間違えば良好な関係をダメにしてしまうようなことだって有りますね。

 たとえば、ぼくはガイドヘルパーとホームヘルパーを利用していますが、ここにも「お世話する側」と「お世話される側」というポジションが有ります。
でもね、「する」「される」ではないんです。
「させていただく」「していただく」なんです。
お互いに何処までも謙虚に受け止めなければうまくいかない。
「してやってる」「してもらってる」では必ず喧騒を産みます。
どんなにそれまで仲良しであっても関係を引き裂いてしまうことになるんです。

 こんなことが有りました。
市役所に用事が有るのでガイドヘルパーの予約を入れようとしたところ、、、。
「この日までに行きたいんだよな。」って言いますと「どうせ、この日に出掛けるんだからついでにやればいいだろう? ダメなのか?」とヘルパーが聞いてきました。
こう言われたらぼくら利用者はヘルパーに従わざるを得ません。
完全に「してやってる側」と「してもらってる側」になっているんです。
 その後、当日になってヘルパーから「急に予定が空いたから今からでもいいぞ。」って連絡が来ました。
その時、ぼくは別の用事を入れていたので断りましたら悔しそうに「ならいいよ。」と言ってきました。
 こちらの意向を無視したうえで自分の都合を押し付けてきたわけです。
 ヘルパーと利用者だけの話ではなく、世間のあちらこちらにこんな人は居ますよね?
世間の人たちはこのような人たちをどう見ていますか?
【融通の利かない身勝手な人】だと思うでしょう。
社会は人の繋がりで出来ています。 自分だけが居るわけではないんです。
 福沢諭吉は言いました。
『天は人の上に人を作らず。 人の下に人を作らず。』と。
どんなに立派そうな肩書を持っていても、どんなに位が高くても人を上下で判断する人間は犬身も劣るわけです。
 そりゃね、会社など形上上下関係を作らなければいけない環境も有るでしょう。
警察や軍隊など上下関係をきちんとしておかなければいけない世界も有るでしょう。
でも庶民は違いますよね。
組織内でそうだからといって一般世間でそれが通用するわけが無いことも知っておかなければいけない。
ぼくらは上下関係で生きているわけではない。
主従関係で生きているわけでもない。
上も下も無い関係の中で生きているんです。
それは友人でも親子でも言えること。
そこを履き違えた人は必ず転落します。
身勝手で融通の利かない人間は必ず孤立します。
そうなると寂しいものです。
日本には古くから遜るという思想が有ります。
卑屈になるわけではない。 常に相手を尊いと感じて生きてきた。
それが無くなってしまえば、もはや日本人ではないんです。
韓国はどうなりましたか?
上下を意識するあまりに国がボロボロになってしまった。
日本もそうなる前に互いに謙遜し合うという空気を取り戻したい。
上から目線では解決できる問題も解決できなくなってしまう。
社会問題のほとんどはそこで躓いているわけです。 まったく損をする生き方です。
『させていただいている。』と思うからこちらも「支えてもらっている。」と思えるわけです。
相手の気持ちを慮る生き方をしたいものですね。

 花を育てるってことも同じなんですね。
途中で枯らしてしまう人の失敗談を時々聞きます。 なぜだろう?
そう思って考えてみました。 するとね、、、。
たいていの人は「世話してやらなきゃ、、、。」って思っていることが分かってきました。
そう、世話してやらなきゃって思っている人ほど失敗しているんです。
サボテンに水を浴びるほどあげて枯らしてしまった人の話を聞きました。
サボテンは砂漠に生えている植物です。 茎の中には有り余るほどの水を蓄えています。
そこに「世話してやらなきゃ、、、。」と言ってさらに水をあげたら腐ってしまいます。
つまりお節介なんです。 育ててる人は親切のつもりでやっているんでしょうけど、、、。
 植物は土と水と日差しさえ有れば何もしなくても成長しますよね?
だから「世話してやろう。」なんて思わなくてもいいわけ。 じゃあ、どうするんですか?
「一緒に大きくなろうね。」って思えばいい。 つまりは寄り添うってことです。
水が足らなくなれば葉っぱが枯れたりして教えてくれます。 日差しが強ければ葉っぱが変色したりして教えてくれます。
ちゃんと見守っていればシグナルを出してくれるんです。
二度三度とカサブランカを育てていく中でぼくも教えられました。
今年よりは来年はもっといい花を咲かせられるようにね。
 人も花も『一緒に居る』ことが大事だということです。
寄り添えない人は上から目線で物事を考えがちなんですね。
これじゃあ人付き合いも恋愛もうまくいきません。
花を育てることはすごく勉強になります。