それから先輩は、吸血していないのを証明するためか、ただ一緒にいたいと思ってくれているのか、
放課後は私と一緒に帰って、休み時間も私の教室に来たりして、多くの時間を私と過ごした。

最初こそそれで何の問題もないように思えたけど、日に日に先輩の様子に違和感を覚えるようになっていた。


初めにそう思ったのは、先輩の婚約者さんが来たあの日から4日後。

その日はちょっと元気がないように見えた。

1週間後。

顔色が悪く、少し痩けたようにも思えた。


そして10日後。

明らかに体調が悪そうだし、話しててもふいに意識がどこかに飛んでいるようだった。


「先輩、体調悪いですよね?」


「ん?そんなことないよ?」


ここ数日、ずっとそう言われてきたけど、さすがにもう誤魔化しきれないレベルだと思う。


「そんなことあります。
足取りもなんだか覚束無いですよ。」


「そうかな。」


「どうしたんですか?
血が足りてないですか?」


「いや、それはちゃんと毎日飲んでるよ。
事情を話したら混血の友達が沢山くれたんだ。」


「それにしては具合悪そうですよ。」


「大丈夫大丈夫。帰ってまた飲めば元気になるよ。」


「本当ですか?」


「うん。安心して。」